脱炭素の切り札として活用拡大が期待されている水素。しかし、鉄鋼などの金属材料が高圧の水素ガスと接触すると、水素原子が材料内部に侵入して、強度が低下して脆くなり、割れてしまう。そのため、水素ステーションや貯蔵タンクなど水素を扱う産業分野において、重大な事故を引き起こす可能性があるため、日鉄ステンレスは水素に対する脆化耐性が高いステンレス鋼を開発し、水素エネルギーの安全で効率的な利用を支えている。

独自開発のステンレス鋼、ＮＳＳＣⓇＳＴＨ２は、高圧ガス環境から極低温の液体環境までの耐水素ガス脆化特性と耐低温脆化特性を持ちながら、高強度化と省合金化を達成し、コスト効率にも優れている。高強度の特性を活かして、薄手軽量化による貯蔵タンクの大型化・鋼材使用量低減化も可能。また、高圧ガス保安法／一般則例示基準に準拠した高圧水素用のステンレス鋼として３１６Ｌ–ＨｉＮｉも提供。これらのステンレス鋼を使用することで、水素貯蔵タンクの耐久性を向上させ、環境負荷を最小限に抑えることが可能になる。

日鉄ステンレスは水素社会の作る、貯める、運ぶ、使うに貢献していくために、安全性と経済性を兼ね備えたステンレス鋼を提案していく。

展示会への出展履歴

第10回高機能金属展（通称「メタルジャパン」）
10月4日（水）～6日（金）/幕張メッセ

Stainless Steel World Conference & Exhibition　2023
9月26日(火)～28日(木)/オランダ・マースリヒト