近年、施設管理者によるインフラ管理の効率化を目的に、図面の電子化やGIS台帳の導入が進んでいます。しかし、電 子化された図面を都度印刷して現場で確認するなど、依然としてアナログ的な運用が残り、デジタルデータの実用的な活用 が課題です。特に、老朽化が進む地下インフラにおいては、災害時の早期把握や復旧にも支障をきたしかねません。調査現 場では、管理者を個別に訪ねる手続きや、専門的な図面の読解が求められるなど、熟練者依存も大きな問題です。今後 は、担い手不足に対応しつつ、日常業務と防災対応の両面を見据えた、効率的な仕組みが求められています。

本プロジェクトでは、スマートフォン端末を用いて、現場での地下埋設物調査を誰でも簡単に、「スキルレス・ペーパーレス」 で利用することができるマルチ検索プラットフォーム「ジオマッパー」(特願2025-65067)を開発しました。本アプリにより、情報照会か ら現地の事前立会までの各フェーズが効率化・省人化されます。また、地下埋設物データをAR表示する機能により、直感的 な現地調査が可能です。本アプリは、自治体や建設業界における「DX事始め」アプリとして、デジタルツール普及を促進する ことを目指しています。さらに、行政における導入障壁を考慮し、「ゼロコスト」で導入可能であることも強みです。