海外鉄鋼メーカーでは、生産管理パッケージを使用したシステム刷新が加速化しており、この潮流はアジアの製鉄メーカーにも波及しつつある。一方日本の金属生産メーカーの多くはメインフレームによる生産管理業務を維持しており、年間保守コストは数十億円相当。手作りによるシステム刷新が指向されるが、製鉄所あたりのコスト規模は数百億円規模に上り、導入工期も10年以上に及ぶことが予見されている。

中国の馬鋼（集団）は、年間粗鋼量1800万トンという巨大一貫製鉄所。2017年9月、馬鋼はフルパッケージ利用による生産管理システムの刷新を決定した。中国全土に分散配置されている馬鋼のサービスセンターと、製鉄所の需要を連動させる一方、全社一元管理型の製品設計、品質設計システムを採用し、品質管理における包括的なPDCAサイクルの確立を目指している。