アドウェルズは、超音波応用技術を核として、高精度アクチュエータ技術、超音波プロセス技術を融合した超音波開繊・含浸技術を「コンポジットハイウェイ　コンベンション2016」（10月11日・12日）で発表する。

超音波プロセスを取り入れた今までにない新しい装置を提案

今までの熱可塑性樹脂中に炭素繊維が一方向に並ぶUDテープは、束として供給される炭素繊維を平らに広げた（開繊）後に、樹脂を含浸させる過程において、炭素繊維の均一な分散や樹脂粘度が高く完全含浸が難しいことなどが課題となっていた。
そこで同社は、超音波プロセス技術を応用し、安定した開繊・含浸を行う装置を開発。樹脂材料は、取扱が容易でばらつきも小さいフィルム状の樹脂を使用できるように配慮した。含浸炭素繊維を熱可塑性フィルムで上下に挟み込んだ状態で超音波を与え、開繊と含浸を同時に行いながら均一な完全含浸のUDテープを形成する。
今回開発した装置は、軽量化、省エネ化が求められる自動車や産業機械の分野において、ナイロン系、ポリプロン系などの樹脂フィルムと炭素繊維を装置に供給することにより、様々な材料の組み合わせのUDテープを容易に手元で製作できる画期的な装置である。