光を吸収し植物の成長に効果のある波長に変換

シプロ化成は、主にプラスチック製品向けに紫外線吸収剤の製造、販売事業を展開している。同製品は、有害な紫外線を無害な熱エネルギーに変えて光による劣化を抑える作用があり、カットしたい波長や使用するプラスチックに合わせて製品を選択でき、その製品を粉末・顆粒状・液状・乳状などの状態で提供が可能で大量の受注から少量の試作まで対応している。さらに、同社は大学などと共同で特殊な蛍光色素を含む「波長変換フィルム」を開発。

同製品は光を植物の光合成や光形態形成に有効な波長に変換するため、太陽光で効率よく栽培できるようになるだけでなく、トマトや桃、ブドウなどの果実の着色の向上、トマトのリコピンの増加にも効果を発揮する。既存のハウスに同製品を設置するだけなので、遺伝子組み換えや交配に比べ安価であり、効果的な着色が求められる農業現場での需要増加が期待されている。