エアーブラスト・サンドブラストの専業メーカーとして1950年に、先駆けて創業した不二製作所は新たに、表面粗さ（Ra）0.03㎛まで高め離型剤を使わずに、鏡面加工した金型と同等の透明度を保つ技術を開発した。透明度が必要な医療機器・光学部品等に活用され、離型剤を塗布する必要もないので手間やコスト削減が期待されている。

従来の技術では、透明度の確保のために鏡面加工を施すと、樹脂との摩擦が高まって離型性が悪くなるという難点があった。同社は金型表面にサンドブラスト加工を施し離型性を高める技術を持っていたが、Ra0.8㎛ほどに留まり、透明度を保てないことを課題としていた。そこで、粒径5μ–30㎛のショット材を用い、特定の噴射圧力で加工する技術を柴田合成と共同開発し、Ra0.03㎛まで高めることに成功した。これにより、鏡面加工と同等の透明度を保ちながら、表面の極微小な凹凸で離型性も高まる。

今後、透明度が求められる部品提案を積極化するとともに専用加工機の販売も検討しており、2023年までに約2億円の売り上げ目標を掲げる。