核酸代謝物の解析作業を自動化して医薬評価を支援

三井情報は、核酸医薬品の創薬における探求・開発・品質管理作業を自動化する核酸解析プラットフォーム「AQXeNA(アクジーナ)」の提供を開始した。核酸を用いた次世代創薬の研究と生産のための高精度・ハイスループット・ベンダフリーな解析プラットフォームで、理化学研究所及び東京都立大学の協力のもと開発された。多様な天然/人工核酸からなる配列の扱いが可能であり、LC-MSやLC-MS/MSから得られるクロマトグラムおよびスペクトルデータを用いて核酸代謝物の同定・分析といった手間や時間のかかる一連の解析を自動で実行する。それにより、研究者が知的作業に集中できるだけでなく、人為的な見落としの防止による解析結果の正確性と信頼性の向上にも期待できる。

膨大かつ複雑なデータを取り扱う核酸医薬品の研究開発及び製薬現場において、AQXeNAは高精度な解析結果を効率的かつ短時間で届ける。

■ 核酸構造ライブラリと新規核酸構造ライブラリ追加機能
天然/人工核酸のライブラリ機能および新規核酸ライブラリを構築する機能を搭載しており、簡便な操作で拡張可能。
■ 天然/人工核酸の配列を自由に登録
天然/人工核酸の配列を編集するためのユーザーフレンドリーなインターフェース。解析対象の核酸配列を、核酸構造ライブラリを用いて自由に作成/登録可能。
■ 代謝物ピークの同定・定量分析を自動実行
大量の質量分析データを全自動で解析し、核酸由来代謝物ピークの一括同定・分析を実行。 同位体クラスターパターンを利用して、核酸由来代謝物ピークを抽出。
■「Ariadne」による正確なフラグメントイオン同定
MS/MSスペクトル中のフラグメントイオンピークをデコンボリューションアルゴリズムで成分ごとに分離し、核酸同定アルゴリズム「Ariadne※」で正確に同定。　

※ H. Nakayama et. al., Nucleic Acids Res. 2009, 37(6), e47