東京都港区を拠点とするエースネットワークスは、独自のコーティング技術によって、薄く・軽く・フレキシブルでありながら高い耐久性を備えた強化シリコン系ソーラーパネルを提供する。ガラスを用いた従来のパネルと同じシリコンセルを使いながら、基材に軽量複合材料を採用し、その上から特殊コーティングを施すことで、一見ペロブスカイトのような外観としなやかさを実現している。１㎡あたり約２・９㎏と、従来品の３割程度という軽さも大きな特長だ。

このパネルは、雹や飛来物による「隠れ割れ」が起きにくく、表面がなめらかなため埃が付きにくい。反射を抑えて光を効率よく取り込む構造により、長期にわたり安定した発電を目指すことができる。屋根面だけでなく、外壁やカーポート、フェンス、温室ハウスなど多様な場所への活用が想定されており、建物の意匠性を保ちながらエネルギー機能を付加できる製品として注目されている。

すでに国内の工場や物流倉庫、商業施設、大手コンビニエンスストアチェーンなどで採用が進んでいるほか、大手自動車メーカーによる全国施設のカーボンニュートラルプロジェクトでも候補パネルとして評価を受けている。建物の構造負荷を抑えつつ再生可能エネルギーの導入を図りたい企業にとって、有力な選択肢となりつつある。

同社はこのソーラーパネルに加え、ＬＰガスを燃焼させずに発電する静音型の燃料電池発電機の開発にも成功。ＬＰガスから電気と純水を同時に得ることができる技術を通じて、平常時のエネルギー利用はもちろん、災害時の安定的な非常用電源としての活用提案も進めている。建物とエネルギーの新しい関係をデザインするパートナーとして、エースネットワークスの挑戦は続く。