日本精線は、ばねやボルト・ナットの素材となるステンレス鋼線のトップメーカーとして、Micro&Fine Technologyをスローガンに掲げ、次世代素材、技術開発をリードしてきた。現在は水素社会の実現に向けた、脱水素反応器の開発や耐水素脆性ばね材、水素分離膜モジュールなどの技術が注目を集めている。

水素の安定供給で社会貢献

有機ハイドライドを利用した通電加熱型脱水素反応器をアルミ表面技術研究所と共同で開発。アルミを被覆した電熱線（クラッドワイヤー）にアルマイト処理および触媒担持したワイヤー（通称、触媒ワイヤー）に直接通電することで、速いスタートアップと高い熱効率を可能にした。ゾーン制御により緻密な温度制御が可能であり、触媒を直接加熱する為エネルギーロスを最小限に抑えられる。
さらに外部加熱方式のような大型加熱装置が不要になり、大幅な省スペース化の実現で敷地が限られている都市部の水素ステーションに適しており、今後活躍の期待が広がるだろう。