海洋開発技術研究所は流体技術の観点から、海や川の環境問題および有効利用するための技術開発に取り組んでいる。機器の製作だけでなく、計測・モニタリングシステムの構築等、ソフト面まで含めたトータルなコンサルティングを行っている。

小電力で多量の水を効果的に動かし、水質改善を実現

プロペラ式水循環装置『アクアファイン』は、ダムの水面の水を深いところへ送るだけの単純な機構で、アオコ問題、貧酸素問題が解決できる画期的な装置。アオコが集中する表層の水をプロペラで多量に引き寄せ、ダクトを通じて日光の届かない水底に送り込むことでアオコを弱らせる。

また、酸素を豊富に含んだ表層水を酸素の少ない底層に送り込むことで、底層全体の貧酸素を解消する。この結果、底沼からのリンの溶出や硫化物などの有害物質の発生がなくなる。同時に底層の冷水問題も解消され、持続的な水質浄化作用が期待される。