エディットフォースは、ＰＰＲプラットフォーム技術をコア技術として２０１５年に設立したベンチャー企業。独自の遺伝子編集技術を開発し、現在は遺伝子治療薬の研究開発に取り組んでいる。

新しい技術が新しい世界へと導く

植物内には約５００種類ものＰＰＲタンパク質が存在し、光合成の実現などに欠かせないＲＮＡ編集メカニズムに関与していることが知られている。同社は、九州大学との共同研究によりＰＰＲタンパク質が配列特異的に遺伝子に結合するメカニズムを明らかにし、標的とするＤＮＡ／ＲＮＡ配列に結合するタンパク質を作製する技術を確立。ＰＰＲタンパク質は35のアミノ酸からなるＰＰＲモチーフが複数連結した構造をしており、各モチーフは特定の塩基と結合する。標的とする塩基配列に応じてＰＰＲモチーフを組み合わせることで任意の塩基配列を特異的に識別することができ、さらに塩基置換酵素などの機能タンパク質を結合させることで、遺伝子編集をはじめとするさまざまなＤＮＡ／ＲＮＡの操作が可能となる。ＤＮＡ・ＲＮＡのどちらも編集可能なＰＰＲプラットフォーム技術の可能性は大きい。

遺伝子治療薬の開発を皮切りに、農業など広範な産業にＰＰＲプラットフォーム技術を応用することで、これまでの技術ではアプローチできなかった課題の解決を目指す。

日本発の遺伝子編集技術を携え、同社はバイオ産業の発展に貢献していく。