山下電気が独自開発した「Ｙ–ＨｅａＴ」は、金型に取り付けたヒータで金型表面温度を加熱冷却することによってウエルドラインを解消させる技術であり、プラスチックの外観品質を飛躍的に高め、特にピアノブラック色の成形品は高級感・高質感を付与、塗装工程を不要にし、コストダウンとカーボンニュートラルに大きく貢献する。

既存の成形工場に専用ヒータコントローラを増設するシンプルな構成となっている。金型温度は、金型表面裏側に配置された熱電対温度センサーによる実測値とヒータコントローラの温度制御プログラムによって１℃単位で制御される。金型の熱膨張が少なく破損と無縁であり、保圧冷却中はチャンネルごとに設定したそれぞれの温度プログラムにより樹脂の収縮量を調整してソリ量の制御を可能にした。また、金型表面温度に２５０℃を要するＰＥＳの生産実績があり、熱可塑性樹脂全てに適応可能。加熱範囲は、金型表面全体だけでなく、ウエルド部分のみを選択した部分加熱のどちらでも可能で、必要以上に金型コストを押し上げることはない。

12月７日から９日に幕張メッセで開催されるブラスチックジャパンの出展が決まっている。