アクアテック（東京都品川区）は、空気から水を作る〝エアリス〟を開発した。

災害時、比較的復旧が早いのは電気。次に水道、ガス。水道が止まったら、復旧目安約30日、ストックしている水も復旧前に尽きてしまう。そこで、復旧の早い電気を使って水を作れないか、ということで思いついたのがエアリスだ。

水道のインフラが断たれても、飲水の確保がいつでも自由にできる

エアリスは電源さえあれば、空気から水を分離して飲料水を作り出すため、浄水場や海水淡水化プラントなどの浄水技術、設備、浄化された水を供給するための水道管工事が不要。また、水道に接続して浄水器としても利用でき、外部から水を汲み上げ、ろ過をして飲水に転換もできる複合型ろ過装置。貯水された水は、定期的に繰り返しろ過され、いつでも新鮮な状態を保てる。冷水は３℃～８℃、熱湯は82℃～88℃、常温水は約25℃に自動調整され、飲みたい時に瞬間で沸騰させる仕組みで熱湯タンクレスにすることにより、省エネを実現。フィルターも汚れにくいので交換は年１回程度。ペットボトルのゴミを出さないだけではなく、宅配水などの配送車両から排出されるＣＯ２、焼却時のＣＯ２を削減することにもつながり、カーボンニュートラルの実現に貢献する。

エアリスは、災害による断水時をはじめ、水道インフラの無い国や地域、ペットボトルの飲料水を購入せざるを得ない国や地域で、新たな飲料水の確保手段となり、世界の水事情を根本から解決してくれるだろう。